【悠游字的】STAP細胞再現実験成功という記事におけるネット記事の浅ましさ

【悠游字的】STAP細胞再現実験成功という記事におけるネット記事の浅ましさ

こんにちは @georgek5555 です。

さて、みなさんこんな記事を最近見かけたことありませんか?

STAP細胞 小保方さん、再現実験に成功 論文発表後初めて – MSN産経ニュース

上記リンクをクリックせずに読み進めて頂けた方はおそらく一度はこの記事を読んだことがある人でしょう。
今でも数日に1回は何かしらのSNSでこの記事がシェアされてきます。
そのたびに共有している人は「やっぱりあったんだ」「ほれみてみろ!」「馬鹿にしてたやつおもいしれ!」「理研は何て言ってるの?」みたいなコメントも併せて書いていたりします。

そしてそれから数分から数時間して、恥ずかしげにその記事を消して、

「すいません。先ほどの記事は3月の記事だったようです」

というコメントを残していきます。
このことだけを取り上げるなら、ソースをちゃんと確認しないほうが悪いよね?という人もいそうですが、実は筆者も一瞬共有してすぐに消した1人。

なぜみんなは今回の記事を詳細も見ずに共有してしまったのか?それにはいくつかの要因があります。

タイトルに問題がある

まず、こちらの記事のタイトルに問題があります。
現在は『(3月6日)STAP細胞 小保方さん、再現実験に成功 論文発表後初めて』というタイトルになっていますが、それまではは(3月6日)という部分は付いていませんでした。
これが付け加えられたのはここ数日ぐらいのレベル。それまでずっと紛らわしいタイトルでした。
事実Facebookでシェアするとまだ昔のタイトルになっていて、こんな感じで共有されます。
STAP細胞 成功 再現 小保方晴子
これを見れば誰でも「STAP細胞はあります!」って叫びながらリンクをクリックすると思います。筆者もその1人でした。

いつの記事なのかわかりづらい

そしてタイトルが付く前にも記事のリリース日は当然書かれていたのですが、こちらの産経ニュースは、いつの記事なのかわかりづらい仕様になっています。
STAP 小保方晴子 再現 成功 理研
今となってはタイトルのおかげで多少分かりますが、リリース日がまず小さい。そして記事の本文も『5日』しか書いていないため、いつの『5日』なのか分からない。
そのせいもあって見事に月初、5日〜10日くらいにこの記事が毎月シェアされていました。

この記事における浅ましさ

この記事はタイトル部分に『3月6日』が付いたおかげで、多少は以前よりもシェアが減るかもしれません。しかし、この『3月6日』が何を指すのかが一瞬分からない人はそのままシェアする可能性も高いでしょうし、来年の3月6日以降はまたこの記事が虚構新聞のようにシェアされまくるのではないかと思います。

もちろん、それまでに再現実験が成功してもらえれば幸いなのですが、今回の論点はそこじゃありません。

おそらくあれだけシェアされていたので、かなりあの記事は長いことロングヒットを続けていたのだと思います。
ここで問題なのは産経ニュースという、メディアが紛らわしい混乱を招いていることを理解していたはずであろうのに、しばらく放置をし続けていたことです。
そしてタイトルに『3月6日』を追加したとはいえ、なぜ『3月6日』とだけ入れてわかりづらさを残しているのか?
なぜ記事の下部にト書きなどで、『この記事は2014年3月6日の記事です』のような注意書きを入れないのか?
日付は確かに入ってる。入っているけど、ミスリードされていた以上、発信側としてわかりやすくするべきじゃないのか?

ネット上にある記事というのは、読まれれば読まれるほど収益に繋がります。PVがある記事をみすみすリリースするのも嫌なのでしょう。

しかし、ニュースメディアがミスリードによってバズっていることを理解していながら、未だその状態を保っていること、そもそも対応が遅れたことに非常にネットメディアの浅ましさを感じるのです。

これは、ブログをはじめとしたネット上にライティングをしている人全般に言えることで、意図してミスリードを誘ってクリックさせるタイトルの付け方など、確かにそういった手法があるのは認めます。筆者もそういったタイトルの付け方をしている時もあります。

しかし、今回のこれを見た時に、事実を伝えることが使命であるニュースメディアまでPV至上主義の波にのまれてゾンビになってしまっていることに非常に今後のWEBメディアの未来を危惧せざるを得ないのです。

僕も正直偉そうに言えるほど大した記事を書けていないかもしれない。しかし、WEBメディアやブログがPVゾンビ達に脳みそを食われてしまっている現状をそのまま見過ごすことは出来ないと思ったのです。

僕らはこのままじゃダメになってしまう。
とにかく今後、この記事が変わらずミスリードされてシェアされ続けないようにこの記事を残すとともに、今後のWEBメディアの未来も考えていきたいと思い一筆を残しておきます。

以上、@georgek5555 でした。